生まれつきの虚弱体質が改善され、心にもゆとりができました

喜多
名古屋支部会員 喜多さん

私は生まれつき、虚弱体質でした。

風邪ばかりひいていて、さらに肺炎も併発し、小学校のときは半分ほどしか通えませんでした。

そんな体質のせいか、性格も弱く、何事にも逃げてばかり。幼少期はふりかえると嫌なことだらけだった気がします。

正宗太極拳を始めたのは、いまから6年前のことです。

きっかけはやはり病気でした。

原因不明のウイルス性急性腸炎にかかり、42度の熱が出て病院に運ばれました。意識も遠のき、集中治療室で1週間を過ごしました。

さすがに何とかしなければと思っていたところ、インターネットで全日本柔拳連盟の存在を知りました。

「体力がなくてもできる」とホームページに書かれていたことから、入会を決意しました。

本部に連絡したところ、名古屋支部の早瀬先生を紹介していただきました。早速連絡したところ「太極拳は〝医者いらず〟ですよ」と言われ、初めて名古屋支部へ足を運びました。

太極拳は他のスポーツと違い、はじめからとまどいはありませんでした。

自分のペースで進められるし、心臓が煽ることもありません。それまでは何をやっても長続きしなかったので、周囲もいつやめるのだろうとしか考えてなかったみたいです。

道場に通い始めて3、4か月たった頃、ヨーロッパ旅行に出かけて、暴漢に襲われたことがありました。この時、手をつかまれたのに自然にふりほどけ、事なきを得ました。

以降、さらに身を入れて練習に励むようになりました。

恥ずかしい話ですが、太極拳をしてまず変わったと感じたのは、階段を走って登れるようになったことです。

はじめて1年くらいで、体質は確実に変わってきました。寒がりだったのが、1年後の冬には外でTシャツ一枚で練習しても、熱さを感じるほどになってきました。寝るときも、以前は冬は毛布にくるまり、朝も寒くて布団から出られなかったのが、布団一枚で寝られるようになりました。熱くなってきたということは、気が出てきた証拠なのかなと思っています。

病気も少なくなりました。神経性胃炎や偏頭痛で悩んでいたのがいっさいなくなり、お酒も強くなりました。以前はすぐに潰れていたのが、いまではしゃんとして、二日酔いもほとんどありません。飲み会も楽しくなりました。

こうして体力がつくうちに、性格も変わってきました。

昔は気が小さかったのが、余裕を持てるようになり、客観的に落ち着いて物事に対処できるようになりました。

久しぶりに会う友人には「変わったね」とよく言われます。

集中力も増し、仕事では管理職として一日机に座っていても苦にならないし、趣味のバンドでも以前に増して熱中できるようになりました。

とにかく、性格は明るくなりました。

幼少のときから、母に常に笑顔を心がける様しつけられていたため必死に笑っていましたが、いまでは無理なく、心から笑っています。

ほんとうに、太極拳のおかげです。

現在は形意拳をしていますが、正宗太極拳は奥が深いですね。毎回同じことをしていても、新たな発見があります。

教えていただいている早瀬先生は、信じられないくらい温厚な方です。

そばにいるだけで心地よい人ってなかなかいないですよね。

地曳秀峰名誉会長や早瀬先生は、強いだけでなく、なにかを超越されているような気がします。

私も会長や早瀬先生、先輩方に少しでも近づけるように、欠かさず練習し、鍛錬していきたいです。