幼少時から続いた咳も治り、“別人のようだね”と言われます
本部会員 細川さん
私は物心ついたときから、風邪を引きやすい体質でした。
風邪自体は1~2週間で治るのですが、肺が炎症を起こして、その後3か月は咳が続きます。そのうちにまた風邪を引き……という具合で、一年中咳をしていました。
でも、私にとっては子どもの頃から咳をする状態は当たり前。人より過度なだけなのだと思っていました。
ですので、太極拳を始めたのも、咳が治ると期待したからではありません。
私は昔から運動音痴で、身体を動かすのが大嫌いでした。俗に言う「からだに良さそうなこと」もことごとく苦手。挙げ句、40を過ぎたとき、会社の健康診断で「あなたの生活はあまりにも不健康。運動しないと命も危ない」と医師の指導を受けたことが、入会するきっかけとなりました。
なぜ太極拳を選んだかというと、あれだけゆっくりとした動きなら運動が苦手な自分にもできるのではと安易に考えたからです。
体験入学だと怖じ気づいて辞めてしまうと思ったので、自分を律するために即、入会しました。
効果を感じはじめたのは、3か月ほどたった頃です。
当初は、渋谷に通う電車で20分以上立っていることさえ体力的に辛くてたまらなかったのですが、いつの間にか座れなくても辛くなくなりました。
そして5か月ほど後に台湾研修に参加できることになり「著名な先生に見ていただくのに失礼だから」と、家でも毎日練習するようになりました。
同時にふと気づくと、咳が出ない状態が3~4か月も続いており、咳をしないのはこんなに楽だったんだと、健康の喜びを生まれて初めて知ることができました。
現在では、風邪を引くのも年に1度あるかないかという人並みレベルになり、たとえまた肺が炎症を起こしても、続けて風邪を引かないので永遠に咳が止まらないということはなくなりました。
夢のように嬉しいです。
かつての私を知る人は、私の今の健康な状態に驚いているし、連盟の会員さんたちは、昔の病弱な私を信じられないと言います。
私自身も、不健康で何をするにも億劫だったあの時代には絶対に戻りたくない、一生太極拳を続けていきたいと思っています。
太極拳は、身体能力が劣っていても病弱でも、各人に合わせたレベルで向上していけることが魅力だと思います。
地道に毎日練習することで、一足飛びではなく、少しずつ進歩していけることが楽しみとなっています。
こうして、先生方には感謝しきれないほど感謝しているのですが、私には夢があります。
地曳会長は常々、「太極拳の護身術は、力のない女性が使えないのでは意味をもたない」とおっしゃいます。
何年かかろうとも研鑽を積んで、こんな私が健康面だけでなく武術面でもそれを証明してみせたとき、少しは皆さまにご恩返しができるのかなと考えています。